「自炊」はなくなる?


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「自炊」はなくなる?

自分で紙の本をスキャニングしてデータ化 自分で紙の本をスキャニングしてデータ化することによる「電子書籍」が著作権の面から問題視されたことがありました。ちょっと懐かしいと感じる人もいるかもしれませんが、お付き合いください。

こうした行為は「自炊」と呼ばれ、本来著作権が関わるような問題ではありません。ただし、自分で買った本を自分で管理しやすいように工夫しているのなら、という条件がつきます。
紙の本をページ一枚一枚をスキャニングし、データに落としこむ作業には当然それなりの時間がかかります。場合によっては本を裁断するという作業も必要になります。

しかし、電子化して本を管理することのメリットは捨てがたい。
そうした時に出てきたのが、本を自炊するための設備を提供する店舗サービスです。
裁断やスキャニングのための設備を提供しているこういった店舗にデータ化したい本を持ち込めば、素早く綺麗にデータ化できるというのがこうしたサービスの利点でしたが、一部の店舗が「データ化する本そのもの」しかも裁断済みのもの、を店舗に置いたことが問題となりました。

データ化する設備 体裁としては「データ化する設備」を提供するサービスという形ですが実質的にこれは、データを複製して売られているようなものですよね。
著作権を持っている側としては当然不正を訴えたくもなるでしょう。

しかし、この問題の背景には、当時はまだ電子書籍サービスが発展していないため、欲しい本をデータで手に入れるためには自炊が必要だったという問題がありました。

現在は電子書籍サービスは充実し、扱っている本の品揃えも増えました。一般に書店で売られている本の多くは、電子書籍で買うことができるでしょう。
このようにデータで利用したい人がはじめから電子書籍で本を買うことができる環境があれば、そもそも自炊の必要性はありません。

加えて電子書籍の販売価格をもう少し下げることがもしできるなら、自炊だけでなく、不正なデータのアップロードや複製も減っていくのではないでしょうか。
販売価格を下げることによって正当に対価を支払って買う人が増え、それによって著作者の利益を元の販売価格の時以上に増やすことができれば理想的ですよね。

今はまだ紙の本と電子書籍の価格の違いはそれほどありません。
が、これからそういった挑戦的なサービスや作品が出てきたら、ぜひ応援して、盛り上げていきたいですよね。